トップ > 疾患情報 > ガイドライン > COPD > COPD診断と治療のためのガイドライン(第3版)


監修:東京女子医科大学第一内科主任教授
永井 厚志 先生
今回のガイドラインの改訂では、COPDの患者が増悪を繰り返すと、気流閉塞が進行し死に至ることもあるため、安定期の管理をしっかり行い、増悪を予防することが重要であることを示しています。治療法選択においては、病期(T〜W期)にあわせて治療法を段階的に強化するのではなく、患者の重症度を気流閉塞と臨床症状から総合的に判断して、患者の状態にあわせて治療法を選択できることを強調しています。このガイドラインが、様々な症状を示す患者に対して画一的に陥ることなく、個別的な治療を行うために臨床現場で活用されることを願っています。

COPDは緩徐に進行する慢性疾患であるが、増悪を起こすことで気流閉塞が進行し、生命予後を悪化させるため、増悪を予防することが重要である。

呼吸困難、咳、喀痰などの症状が日常の生理的変動を超えて急激に悪化し、安定期の治療内容の変更を要する状態をいう。

| 軽 症 |
呼吸困難の悪化、喀痰量の増加、喀痰の膿性化のうち1つと、5日以内の上気道感染、他に原因のない発熱、喘鳴の増加、咳の増加、呼吸数あるいは心拍数の20%以上の増加のうち1つ以上 |
| 中等症 |
呼吸困難の悪化、喀痰量の増加、喀痰の膿性化のうち2つ |
| 重 症 |
呼吸困難の悪化、喀痰量の増加、喀痰の膿性化のすべて |

COPDと喘息の鑑別は必ずしも容易ではない。喘息を合併したCOPDの場合には呼吸機能の低下速度が速いことから、COPDの重症度あるいは気流閉塞の程度により規定された病期に関わらず、吸入用ステロイドの使用が推奨される。

- 発作性の呼吸困難
- 特に夜間・早朝にみられる喘鳴や咳
- アトピー素因(環境アレルゲンに対するIgE抗体)の存在
- 喀痰や末梢血中の好酸球数の増加
以上のうち1つでもあれば、喘息の合併を疑う。

- 喘息を合併している場合には、COPDの重症度にかかわらず吸入用ステロイドを使用する。
- 吸入用ステロイドに併用する長時間作用性気管支拡張薬は、抗コリン薬とβ2刺激薬のいずれでもよいが、改善が不十分な場合には両者を併用する。

スパイロメトリーがない場合や身体所見で診断できない場合には、診断的治療を開始し、
その反応による診断を推奨する。
例えば、COPDとの鑑別が最も難しい喘息が疑われた場合は、必ず喘息治療を優先させ、
吸入用ステロイド+長時間作用性β2刺激薬(+ロイコトリエン拮抗薬+テオフィリン)などの
十分な喘息治療を行う。
(第X章より)


- 治療法の選択においては、病期(T〜W期)にあわせて治療法を段階的に強化するのではなく、FEV1の低下に、症状の程度を加味し、重症度を総合的に判断したうえで治療法を選択するとした。
- アドエア®は、それぞれ単剤で使用するよりも呼吸機能の改善、増悪の予防、QOLの改善効果に優れていると記載された。
- アドエア® は、気流閉塞の進行や死亡率を抑制する可能性があると記載された。
- 喘息を合併している場合には、COPDの重症度に関わらず吸入用ステロイドを使用すると記載された。
- FEV1の低下だけではなく、症状の程度を加味し、重症度を総合的に判断したうえで治療法を選択する。
- 増悪を繰り返す症例には、長時間作用性気管支拡張薬に加えて吸入用ステロイド*や喀痰調整薬の追加を考慮する。
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日本呼吸器学会COPDガイドライン第3版作成委員会 編:
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第3版 2009 |
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